
本当に今年は色んな方々に助けられてなんとかやり過ごすことが出来ました、ありがとうございました!
12月31日〜1月3日までゆっくりと休んで来年も頑張って店をやっていきます。
お付き合いのほどほどほどによろしくお願いします。
コロナのおかげで色々と考えたり勉強したりとこの歳になっても新しいことがいっぱい有って悪いことばかりじゃなかったかな。
最近思ったことで「ウイルスって神様に一番近いモノかもしれないな」ってこと。
生命の進化にもたぶん絶滅にも深く関わってるモノらしい。
最近ネットで読んだ面白かった記事をお暇な方はどうぞ。
ウィルスとウミウシの物語
ウィルスとは「遺伝子のカプセル」である。
人間の理解を超える存在の「いきもの」であるウィルス。
自らは増殖することができないので、いわゆる「生物」とは違う分類とされている。近年、遺伝子学などの生命科学の進歩によってウィルスについてもその驚くべきその正体がわかってきた。
「破壊する創造者」という書物から、このタイトルの由来となったであろうあるウミウシの物語を引用してまとめてみる。
エリシア・クロロティカというウミウシは植虫類と呼ばれる生物の一種で、動物と植物、両方の性質を併せ持つ生物である。
このウミウシの一生は、淡水の水の中で始まる。ある種の藻に住み着いた幼生は小さなウミウシへと変態して、その藻を食べながら成長する。食べるといっても藻の葉緑体だけをより分けて体内へ取り込むのだ。体内隅々まで十分な葉緑体の取り入れが終了すると、エリシア・クロロティカは口を失い、その後は生涯、光合成によってのみ生きていく。必要なエネルギーすべてを、藻から取り込んだ葉緑体によって得るようになるのである。葉緑体の機能を維持する為には、藻(植物由来)の遺伝情報が必要になる。進化の過程で、重要な遺伝子が藻の細胞核からウミウシの細胞核に受け渡されたことが、最近の研究でわかってきた。
あるウィルスがその「天然の遺伝子工学」とでもいうべき驚くべき能力の橋渡しとなっていたことがわかってきたのだ。エリシア・クロロティカの細胞核などに寄生しているこのウィルスは「逆転写酵素」と呼ばれる化学物質を持っていてレトロウィルスの一種である。
ある古い系統のレトロウィルスが、エリシア・クロロティカというウミウシの中で、植物界、動物界という全く異なる界に属する生物を結合させた。
「植物界」から「動物界」の間で、遺伝子の水平移動させているように見えるウィルスの存在は、進化論を揺るがしている。
この物語には続きがあって、再び春が来て卵の産み付けが終わると、ウミウシたちは病気になり死んでいく。それまでおとなしかったウィルスたちが急速に増え、あらゆる組織に充満するからだ。ウィルスの増殖は、このウミウシが死ぬ時には必ず見られる現象である。ウィルスはこの時、にわかに性質を変え、ウミウシの体を攻撃するようになる。つまり、生きていくのに欠かせない遺伝子操作に関与したと思われるレトロウィルスが、この時には攻撃を仕掛けてくる。かつてはこのウィルスのおかげでのんびりと光だけで暮らすことができたのに、ウィルスたちは突然、残忍にも宿主に死をもたらす。
著者はこの種の関係性を「攻撃的共生」と呼んでいる。
生物の進化に重要な役割を果たしてきたウィルス。
生物に生きる術をもたらし、死をももたらす不思議なウィルス。
自らの遺伝子を宿主のDNAに逆転写し共生しているウィルス。
ヒトゲノムの約半数はウィルス由来であることなど、驚くべき事実が解明されてきている。